これまで「あがり症やパニック」で悩んできたあなたであれば、あがりの原因については、本を読んだり、友人や先輩からのアドバイスを受けたりしてきたと思います。
書店の自己啓発コーナーで「あがり症克服本」を開いてみると、あがりの様々な原因分析がなされています。
例えば、
- あがっていると思われたくないから
- 先のことを考えすぎてしまうから
- 人からよく思われたいと期待するから
- 視線が怖いから
- 経験が足りないから
- 準備不足だから
- 思い入れが強過ぎるから
なんとなく自分にもあてはまるとお考えではないでしょうか?
これらは、それなりにもっともな理由ですし、決して間違ってはいません。しかし、私は、これらをあがりの原因とは考えません。というのも、これらは、人によって千差万別である「あがりの個別要因」を説明しているだけであって、あがりの根本原因ではないからです。
ですから、このような個別要因を修正しても、必ずしも、あがりの問題は解決されません。
私が考える「あがりの根本原因」とは次のようなものです。
- 手足が震えるから
- 心臓がドキドキするから
- 汗が出るから
- 顔が引きつるから
- 肩に力が入るから
意外だったでしょう?でも、少し想像してみて下さい。会議でのスピーチで、心臓もドキドキしていない、手足も震えていないのに、頭だけが真っ白になって言葉が出てこないといったことがありえるでしょうか?もし、体の震えといった生理反応が起きていなければ、誰でも、落ち着いて、冷静に、用意したスピーチができるはずです。
極論すれば、あがりやパニックは、心拍増加・発汗・震えなどの生理反応が原因となって引き起こるものであり、このような生理反応がなければ、あなたはあがることも、パニックになることもないのです。
これは万人に共通している原因です。それに対して、「人からよく思われたい」とか「視線が恐いから」というのは、単なる個別要因です。
このような「あがりの生理反応」は、簡単に言えば、「闘うか逃げるか」で知られるストレス反応として分泌されるストレスホルモン(アドレナリン)によって起こるものです。このように考えると、究極的には、アドレナリンのコントロールが、あがりやパニックのコントロールに繋がると考えられるのです。