あがり症の克服

試験でのあがり症を克服する|レゾナンス呼吸の活用法(4)

大学入試や資格試験など、それまで何十日、場合によっては何年もかけて準備してきた試験を迎えることほど、緊張してしまうことはありません。

それも当り前です。その試験の結果によって、それまでの努力が水泡と化したり、また1年辛い生活を送らなければならなかったりするのですから。

しかし、いつでも平常心を再現できるようになったら、あなたはもう大丈夫です。緊張はするでしょう。でも、それを適正範囲にコントロールできるからです。絶対に合格できるなどとは言いませんが、実力に見合った結果を出すことができるようになります。

通常、試験のときに、緊張したり、焦ってしまったりする主なパターンは、次の通りなので、パターン別に簡単に解説していきます。

試験前夜、試験直前

試験前夜に緊張して眠れなくなってしまうのは当たり前のことです。睡眠薬を飲まない限り、大切な試験前夜に、すぐにぐっすり眠ることができるようになる魔法はありません。

大切なのは、眠れなくても、余計なことを考えて、マイナス思考の悪循環に陥らないことです。そのためにも、試験前夜は、できる限り長く、コヒーレンス呼吸を行ってください。1時間やってもまったく害はありません。布団に入る直前だけでなく、お風呂に入る前や夕食のあとに「平常心=コヒーレンス」でいる限り、必要以上に翌日の試験について考えることができないので、その分、緊張が緩和され、眠りやすくなります。

平常心トレーニング上級者にもなれば、「試験」というコントロールできないことについて、事前にあれこれを考えることがなくなるでしょう。

睡眠促進には、レゾナンス呼吸だけでなく、平常心の「補強策=アロマや音楽」も効果的です。適度に体を動かして、ヒーリング音楽を聴いたり、アロマ(香り)を活用したりしましょう。

試験直前のあがり防止法として、東大受験マンガ「ドラゴン桜」で推奨されていたのが、まわりをよく観察する、というものでした。

まわりを観察するという、注意を外に向けるという行為で、緊張が緩和されるのも、間違いのない事実です。でも、平常心の再現法をマスターしたあなたであれば、単に周りを観察することよりも、ずっと上手に過ごすことができます。

試験開始直前は、ストレッチで体を適度に動かしたあと、携帯音楽プレイヤーなどで、お気に入りのヒーリング音楽を聴きながら、目を閉じたまま、コヒーレンス呼吸を行っているほうが、確実に、脳にとって良い状態を作れるはずです。

試験中

試験前を上手く過ごすことができたのであれば、解けるはずなのに解けない焦り、度忘れによるパニックを起こす可能性はずっと少なくなりますが、それでも全くないわけではありません。特に、過去にこのようなトラウマ経験をもっているひとは、同じ過ちを繰り返しやすいのも事実です。

そんな状況に遭遇しても、もう大丈夫です。対処は実に簡単です。「あれっ」と思ったときに、15秒ほどコヒーレンス呼吸をするだけで良いのです。それによって、焦りを瞬間的に意識から追い出すことができるので、気持を入れ替えて、再びその問題に向き合うことができるようにます。

それでも答えがでないのであれば、次の問題に進むなどの対処をすればよいのです。そして、きちんと呼吸で平常心が再現できたのであれば、その対処も自然に行えるようになります。しかし、焦りが意識を占領してしまうと、模擬試験ではできた、そんな当たり前の対処すらできなくなるのです。

試験後

翌日以降も試験が続くようでしたら、帰宅後にコヒーレンス呼吸を行いましょう。それにより、ストレス反応を速やかに軽減できます。よく眠れるようになるので、翌日以降の試験に向けた準備ができるようになります。

事例1:新司法試験の受験生

関西のロースクールに通っていた大学院生は、勉強漬けの毎日から蓄積されるストレスの軽減と、1年後に迎える試験本番でのあがり症の改善を目指して、平常心メソッドに興味を持ちました。

司法試験改革により生まれた新制度では、ロースクール(法科大学院)を卒業しなければ受験資格すら得られないのに、合格率は30%程度と、旧制度に比べると合格率は高いものの、非常に厳しいものです。しかも受験機会は3回に限定されており、3回不合格になると、再度法科大学院を卒業しないと、受験資格を得られません。※当時

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また、試験自体も、3日間で5科目17時間にも及び、しかも内容的に時間との戦いの要素が強く、どれだけ試験に集中できるかが鍵となります。

その大学院生は、大学卒業後、いちど社会人を経験したあと、会社を退職して法科大学院に入学していました。法科大学院の高額な授業料の支払いのために、学資ローンも受けていて、生活は決して楽ではありませんでした。そのため、絶対に1回で合格したいという気持ちが強く、しかし同時に、そのプレッシャーで自分自身を苦しめていたそうです。

最初にレゾナンス呼吸を指導したときに、彼はなかなか、平常心の落ち着いた感覚を実感することはできませんでした。何でも理屈で考えてしまうタイプの男性には、なかなか平常心の感覚がつかめない人が少なくありません。そこで、バイオフィードバック装置を使って、レゾナンス呼吸がきちんとできていることを視覚で確認してもらったところ、とても納得した様子でした。

結果からいえば、彼は翌年一発合格しました。彼からのメールによると、長い受験準備期間中に関していうと、なかなか疲労が抜けなかったり、やる気が起こらなかったり、勉強に集中できないこともあったそうです。しかし、とにかく毎日、「儀式」のようにレゾナンス呼吸を行ったそうです。

そのかいもあってか、司法試験本番では、思った以上にあがることはなく、冷静に試験問題に取り組めたそうです。

拙書『「ここ一番に強い自分」は科学的に作り出せる』ページから

事例2:東京芸術大合格の浪人生

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