あがり症を改善するレゾナンス呼吸法

 


あがり症を改善するレゾナンス呼吸法とは?

レゾナンス呼吸法TMとは、私が提唱し、商標登録している呼吸法のやり方です。海外の医学・生理学・スポーツ心理学の論文に記載されていた「レゾナンス」という生理状態、そしてその状態を作るための「レゾナント・フレクアンシー・トレーニング(RFT)についての研究を参考にしています。

FH154_L世の中には、本当にたくさんの種類の呼吸法がありますが、その中でも、私が「本物の平常心」を作るトレーニングとして、最も有効であると考えています。

というのも、呼吸法の多くが、単にリラックスを目指すものだからです。

うつ病やパニック発作、心因性の胃潰瘍などを抱えている人が、その症状を軽減するためだけであれば、このようなリラックス重視の呼吸法も有効ですが、スポーツや仕事、受験や演奏では、なかなか使いにくいものです。

本サイトで繰り返し書いている通り、本物の平常心とは、適度な緊張、適度なリラックス状態なのです。

レゾナンス呼吸法は、交感神経と副交感神経が、協調的にリズミカルに働いていることからわかるように、この適度な緊張/リラックスを作り出せる、最も簡単で、確実な方法です。

 


レゾナンス呼吸の3ステップ

ステップ① 椅子に座り、姿勢をただすposture

レゾナンス呼吸では、非常に姿勢が重要になります。椅子には深く腰掛けずに、地面と90度となるように背骨をまっすぐ伸ばしてください。軽く胸を張るような感覚で、少し顎を引いてください。


ステップ② 意識を心臓周辺に向けるheart

右手をイラストのように心臓の上に置いてみることで、心臓への意識がより簡単になります。心臓への意識は、次のステップでも続けてください。


ステップ③ そのまま5秒間隔で、吸うと吐くを繰り返すpoints

少しだけ深めに、できるだけ自然に、5-6秒間隔で呼吸を繰り返して下さい。


レゾナンス呼吸の注意点

  • 呼吸は、吸うのは「口か鼻」、吐くのは「口」で行ってください。
  • 当面、目はつぶっておくのが良いでしょう。
  • 当面は必ず椅子を利用して下さい
  • 当面、朝、昼、夜の3回に分けて行ってください。難しければ、2回でも構いません。
  • できるだけ腹式呼吸で行って下さい。

腹式呼吸ができているときには、吸うときに肩が上がらず、お腹だけが膨らみます。肩があがってしまっているときは「肩式呼吸」とか「横隔膜呼吸」といいます。腹式呼吸ができているかどうかを確認するには、一度仰向けに寝てみて、普通に大きく呼吸をしてみてください。自然に腹式呼吸になります。仰向けに寝たままで「横隔膜呼吸」はできません。


レゾナンス呼吸の「補強」

レゾナンス呼吸を繰り返すことによって、平常心をより確実に体に覚えこませることが可能になります。しかし、ただ単に呼吸をするだけでなく、レゾナンス呼吸と組み合わせることで、相乗効果によって、平常心を「補強」し、より高い効果が見込める方法がいくつかあります。

具体的な方法をみていきましょう。

 


aroma補強策① 香りの活用

現在は、アロマテラピーが人気で、種類も豊富ですし、入手も簡単なので、アロマオイル(精油)を使った方法で説明します。お店でいくつかのアロマオイルを嗅いでみて、自分のお気に入りのアロマオイルを1つ決めます。もし自分では選べないようでしたら、ローズマリーかグレープフルーツをお勧めしておきます。レゾナンス呼吸中は、アロマポッドなどで、香りを部屋に充満させてください。これだけです。

 


bgm補強策② 音楽の活用

レゾナンス呼吸中に音楽や自然音をかけるのも効果的です。音楽は自分の好きなジャンルで構いませんが、葉加瀬太郎、Gontitiなどの耳慣れたヒーリング系がおすすめです。また、自分で何が良いかわからない人は、モーツアルトをお勧めします。特に「アイネクライネナハトムジーク」という楽曲が入っているCDを探して下さい。

また、今どきは、Youtubeで、本当に様々な音楽がアップされているので、「リラックス、BGM」などで検索すると、お気に入りの音楽が見つけられるだけでなく、手軽に聞くことができるのでお勧めです。

 


補強策③ イメージの活用

レゾナンス呼吸中に、目を閉じたまま、次のようなことを追体験イメージしてみましょう。追体験とは、過去に起きた出来事を思い出し、再度、体験するという意味です。

一番理想的なのは、誰かに「感謝」しているとき、「感謝」されてうれしくなっている自分を思い出してみるのです。その他には、楽しいこと・嬉しいことを感じている瞬間の自分を思い出すこと。例えば、天気の良い日のゴルフや、ハイキングなのです。次に、リラックスしている自分を思い出すこと。たとえば、温泉やハワイのビーチでのんびりしている記憶を思い出してみるのです。

appreciationimage

上記の中で、一番大切なのは、やはりイメージです。なぜならイメージは、いつでも・どこでもできるものであり、本番直前にもできるからです。追体験イメージは、最初はなかなか難しいかもしれませんが、これもトレーニングを重ねることで、少しずつ上手くできるようになります。

また、極度のあがり症の方には、メンタルリハーサルというイメージトレーニングが効果的ですが、メンタルリハーサルは、イメージトレーニングの中でも、かなり難しく、いきなり始めると、ほとんどの人が挫折します(あなたも挫折経験があるのではないでしょうか?)。

ですから、まずは比較的簡単な、この追体験イメージをある程度マスターしてから、メンタルリハーサルに取り組むと、より習得確率が高まるのです。

 


レゾナンス呼吸の「見える化」

平常心メソッド(レゾナンス呼吸)を、毎日3回、1日20分を目安にトレーニングを続ければ、大半の人は、なんらかの形で、あがり症の改善効果を感じるはずです。しかし、必ずしも効果を感じられない人がいるのも事実です。その最大の理由が、正しくレゾナンス呼吸ができていないということです。呼吸法は、簡単そうに思えますが、それはそれで奥が深いものです。

せっかく、毎日レゾナンス呼吸に取り組んでいるのに、正しくできていないともったいないですし、また、効果を実感できないので、これを続けていれば大丈夫!という自信や、継続するモチベーションを失ってしまい、いつの間にかやらなくなってしまうのです。

正しく続けられること。これは、あがり症の改善効果を出すには絶対必要な要素です。

私が、数多くのメソッドの中から、レゾナンス呼吸を強く勧める理由は、レゾナンス呼吸が正しくできているかどうかが客観的にわかるツールがあるからです。

freezframeそれが、アメリカ製の簡易バイオフィードバック装置、『エムウェーブPC日本語版』、『エムウェーブ2携帯版』です。

エムウェーブPCはソフトウェアであり、USBで接続するセンサーから心拍数を取得し、瞬時にリアルタイムで解析することで、使用者がレゾナンス状態にあるかどうかをパソコンモニターに表示してくれます。オフィスや書斎などで使用するのに適したツールだと思います。

エムウェーブ2携帯版は、携帯電話と同じ大きさの機器で、本体にあるセンサーに指を乗せることで、心拍数を取得し、瞬時にリアルタイムで解析することで、使用者がレゾナンス状態にあるかどうかを、本体上のLEDライトの色で教えてくれます。

emwaveこれらの2つのエムウェーブは、今や、私が研修やコーチングでレゾナンス呼吸を指導するときには欠かせないツールとなっています。

通勤時や外出先など、どこでも使えるので、レゾナンス呼吸のトレーニングを習慣化する際にとても有効ですし、レゾナンス呼吸を目で見て確認することができますので、やる気にもつながります。3-4万円程度と、決して安価なものではありませんが、その価値は十分にありますので、真剣にレゾナンス呼吸のトレーニングに取り組みたいという方にはとてもお勧めです。

なお、これらのツールでは、目標とする状態を「コヒーレンス」と呼んでいますが、本書におけるレゾナンスと同じ意味と捉えて問題ありません。

>> エムウェーブの商品詳細(外部リンク)

 

拙書『「ここ一番に強い自分」は科学的に作り出せる』38-45ページから

 


レゾナンス呼吸の限界

レゾナンス呼吸を、毎日3回、1日20分を目安にトレーニングを続ければ、90%以上の人は、なんらかの形で、あがり症の改善効果を感じるはずです。

しかし、本当に極度のあがり症のひとや、音楽や芸術など、非常にデリケートな作業に取り組んでいるひと、射撃やアーチェリーといったスポーツ競技者にとっては、それだけで、必ずしも十分な効果が得られないことがあるのも事実です。

その理由は様々で、「正しいレゾナンス呼吸ができていない」「きちんと毎日継続できていない」といったものから、「自分の状況においてレゾナンス呼吸の応用ができていない」といったものまであります。

また、本当は正しい方向を進んでいるのに、ちょっとしたことであがり症が再発してしまった場合に、「これまで練習してきたことがすべて無駄になった」という間違った自己評価をしてしまい、継続を辞めてしまうことも少なくありません。何年もあがり症で苦しんできた人ほど、せっかくついてきた自信も、すぐに揺らいでしまうものです。そして、そのメソッドを続けるモチベーションを失ってしまうのです。

現在、インターネットによる情報化がすすみ、メンタルについても、ありとあらゆる情報が、たったの2-3クリックで、次から次へと得られる時代です。そのどれもが、簡単に効果を生み出せるような、誇張された表現になっています。

一瞬で不安や緊張が消えていく魔法
たったの3日であがり症を克服する方法

こんな書籍がたくさんあります。また、大げさな誇張をしているカウンセラーも少なくありません。こんな情報に囲まれていると、ひとつのメソッドを信じて続けることが難しくなるのです。

深刻なあがり症を克服するためには時間がかかるものです。1か月も地道に呼吸法を続けてきたのに、未だに自信を持ってスピーチができなかったり、演奏ができなかったりしてしまうのは、やり方が間違っている、そう考えてしまうのも不思議ではありません。

私は長年メンタルトレーニング石井塾を主宰し、これまでビジネス、スポーツ、演奏など、多くのあがり症の方と向き合ってきましたが、そんなに簡単にあがり症は治るものではないことを重々承知しています。とはいえ、正しい方法を続けていけば、3-4週間から半年くらいで、薬にほぼ頼らないでいけるだけの改善は、ほぼすべての方に起こっています。

あがり症や緊張の改善に有効なプログラムの4つの要素にも書きましたが、本当にひどいあがり症の克服には、レゾナンス呼吸法のようなリラクセーションスキルだけでなく、自己査定スキル・認知的スキル・本番スキルも同時並行的に進めていかなければいけないところもあります。ぜひ参考にして、必要があれば、プロの支援を受けることを検討してください。