対人関係・トラウマ克服での活用

プレゼンなどの不特定多数だけでなく、ある特定人物に対して極度に緊張してしまって、うまく話せなくなったり、力を発揮できなってしまったりすることも少なくなりません。

GUM01_PH04014その対象というのも、好きな異性であったり、苦手な上司だったり、取引先の部長であったりといろいろですが、極度の緊張から焦ってしまい、自分の考えをきちんと伝えることができないので、あとで悔しい思いをしたり、対人関係がうまくいかなくなったりします。

しかし、平常心の再現法を身につけたあなたであれば、もう大丈夫です。面談前・面談中・面談後にきちんと平常心メソッドを実践すれば、少しずつ緊張が弱まっていくのが実感できるはずです。そのような経験を重ねていくと、特定の人物への対人あがり症は徐々に弱まっていきます。


事例:役員との人間関係で悩んでいた団体管理職

ある団体の管理職は、天下りでやってきた役員との関係に苦しんでいました。役員室に呼ばれるたびに、強い口調で、叱責されたり否定されたりするので、1か月もすると、役員室に呼ばれるだけで大きな恐怖を覚えるようになりました。

そんな状態では、今までならできた簡単な報告もきちんとすることができず、気の短い役員のさらなる怒りをかってしまう悪循環ができていました。半年後には、うつ症状が大きくなり、ついには会社に出社できなくなりました。

GUM01_PH04023少し休んで、心療内科で処方された薬を飲んでいるうちに、多少、回復したことで会社には出社できるようになりました。もともと優秀な人物であり、なんとかこの問題を解決しようと、役員から干されている間に、夜学で心理学を学び、心理的苦痛の解決を試みていました。しかし、役員への恐怖感情はなかなか消えず、辛うじて会社にいけているという状況が半年近く続いていました。

そんな状態でコーチングを受けに来た彼に教えたのが、レゾナンス呼吸です。その役員への対人恐怖はかなり深刻だったのですが、役員室に入る前に必ずレゾナンス呼吸で平常心を作ること、役員が話しているときに、知られないようにレゾナンス呼吸を続けること、役員室から出たあとに、そのストレス反応を解消するためにレゾナンス呼吸を行うことの3つを徹底的に指導したところ、1ヵ月後には、役員室に呼ばれることにそれほど抵抗がなくなっていたそうです。

定期的にコーチングも行っていましたが、半年経ったころには、役員に対して、きちんと自分の意見を言えるようになるまで回復していました。そのときには、役員が、自分の意見をどう評価しようと、平常心でいれば、自分は大丈夫、たとえ降格させられてもやっていける、という強い感覚が生まれていたそうです。

面白いのは、そんな毅然とした対応ができるようなるにつれ、役員の対応が少しずつ変わってきたという事実です。平常心で臆病にならずに、自分の意見を伝えることで、彼に対する役員の評価が変わったのです。

彼は今でも役員の下で働いています。決して好きでもないし、尊敬もできないそうですが、平常心メソッドを習得したことで、役員の機嫌に引っ張られることなく、常に自分をしっかり持つことができるようになったと報告をくれています。

拙書『「ここ一番に強い自分」は科学的に作り出せる』からの一部引用

 


事例:顔面多汗症の会社員

Nさんは、40代の一部上場企業の会社員です。学生時代や新入社員の頃は、とくにあがり症でも、緊張しやすいタイプでもありませんでした。しかし、数年前から、なぜか上役との会議や打ち合わせの場面において、自分の話す時間が15分を超えるようなときには、顎から滴るほどの汗をかくようになりました。GUM01_PH04038

当初は、数分の程度の打ち合わせなら、それほど問題はなかったのですが、顔面多汗が気になり始めてからは、その傾向はひどくなる一方だったそうです。まずは皮膚科を受診しましたが、問題はありませんでした。

心療内科で塗り薬や、漢方を処方してもらいましたが、効果は全くありませんでした。

次に、抗不安薬を処方され、会議の前に服用したところ、効果はてきめんで、顔からの汗は止まりました。

しかし、薬の副作用で、服薬した日は、そのあと眠気がひどくなり、職場でうたた寝してしまいそうになり、それがとても辛かったそうです。

薬を服用し始めてから2年位経っていましたが、このままずっと服用し続けるのは嫌だし、また副作用からもなんとか逃れたい。そういった理由から、ほかの選択肢を探し始め、インターネットでたまたま石井塾を見つけて、入塾申し込みました。

Nさんがいうには、Nさんには、3段階の緊張する会議・打ち合わせがあります。

1)週1回、部署内の全体会議。数分程度、直属上司と同僚への進捗説明。薬は半錠。

2)年に3-4回、役員決裁案件のための、部長クラスへの事前説明。薬は1錠。

3)半年に1回の予算案件の、本部長クラスへの事前説明。薬は1錠。

入塾後2か月のトレーニング期間を経て、初めて(1)の会議に、服薬せずに臨みました。多少、顔は汗ばんだものの、それだけでした。そして、その翌週も服薬せずに臨みましたが、全く汗は気にならなかったそうです。これで(1)はクリアです。

また、(2)の会議もありましたが、このときも服薬なしで臨み、これもクリアしました。ここまでは順調です。

s-GUM02_PH01057あとは、(3)だけです。これまで段階を踏んでいるので、(3)も問題ないと考えていましたが、(3)の会議直前に、タイミング悪く、仕事でストレスがピークに達していたため、不安が高まり、怖くなって薬を「半錠」(いつもは1錠)飲んでしまいました。

結果的には、全く汗はかかなかったそうですが、せっかくの「薬なしで会議を乗り越える」という目的を達成するチャンスは、半年後に先延ばしになりました。

ただ、少なくても、毎週飲んでいた抗不安薬(ソラナックス)は、全く必要なくなったのは、大きな成果と言えるでしょう。

私は以前に、手汗がひどくて苦しんでいて女子プロゴルファーの指導をしたことがありましたが、彼女の場合は、試合中の手汗がひどく、グローブがびしょびしょになってしまうくらいでしたが、比較的すぐに症状は解決しました。

汗は自律神経の影響を受けるので、自律神経をダイレクトにコントロールできる呼吸法の効果は高いものです。

あとは、どのように、どのくらい、どのタイミングで、やるかだけで、多くの場合、顔面多汗や手汗の問題は解決できると思います。

てっとり早くあがり症や多汗症を克服するためには、ベータ遮断薬や抗不安薬、場合によってはSSRIを服用するという手はありますが、対処療法であり、薬を飲み続けることが前提となってしまいます。

都内には、あがり症を専門とする心療内科があり、塾生の何人かも、石井塾にたどり着くまでは、そこに通院していました。

少し時間がかかっても、メンタルトレーニングを地道に続ければ、薬は全く必要なくなります。

何よりも副作用もなく、「薬に頼らなければ***できない」という嫌な気持ちに陥ることもないです。

ぜひ一歩を踏み出してください。